Dolce.T
[ KINGDOM of CHAOS ]オールド大陸の非公式ファンサイトに御座います。興味が無い方や不快感を覚える方は観覧非推奨。
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白い日
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月が傾く宵闇の刻
チラリと時計へ視線を送るのはこれが初めてではなかった。
特段時間を指定したわけではないけれど、いつもの時間に比べたら少々遅い…
声を掛けたのだから、用がある筈だとは思っていたけれど------
特段時間を指定したわけではないけれど、いつもの時間に比べたら少々遅い…
声を掛けたのだから、用がある筈だとは思っていたけれど------
黒耀石の祭壇
自室に鎮座するのは、様々な質感の生地を使い華やかに仕立て上げられた漆黒のドレス。
夜会用にドレスを着用することはあっても、殆どがシンプルでタイトに纏められたものである。
そう、こんなラインのドレスを着用するのはいつ振りだろうか。
それこそ幼少のころまで遡るかもしれないと、小さく笑って。
木々茂る
広い庭の一角にサァァ・・・と吹き抜ける柔らかい風。
とっさに上げた手は、黒いマントを掴めず空気を握る。
仕方なしに舞い上がろうとする髪を抑えつつ、口から零れるのは小さな溜息。
軽く肩を竦めれば、諦めたとばかりに踵を返し屋敷の中へと。
運命の歯車
窓辺に寄り、少し開けた窓から風が吹き込む。
ぼんやりと思い出すのは耳奥に残る低い声音。
跳ねる気持ちが満たす傍らで、針が片隅を刺すようにチクリと痛んだ。
出来る限り目を瞑り、先延ばしにしてきた事がある。
もう少し…もう少しだけ…
そっと握る左手を右手で覆えば、不安を押し隠すように瞳を伏せた。